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第59回《〜これまで誰も教えてくれなかった〜『絵画鑑賞白熱講座』》  ロココ時代、静けさの巨匠: ジャン・シメオン・シャルダン

4月28日(日)のプロトマニア・アート・レクチャーのご案内です。

第59回《〜これまで誰も教えてくれなかった〜『絵画鑑賞白熱講座』》
 ロココ時代、静けさの巨匠: ジャン・シメオン・シャルダン


前回のモランディでは参加者のみなさんから、さまざまな見方、感想、意見が噴出
して、大変楽しい日曜の午後となりました。一見単調で、なんのための繰り返しなの?と思いかねないモランディの絵画ですが、じっと見ていると必ず我々の感性に沁みてくる、その親和力はさすがに巨匠の名に恥じないものだと、あらためて痛感しました。

次回とりあげるシャルダン(1699〜1779 )は、そのモランディがシンパシーを感じていた数少ない画家のひとりです。シャルダンは時代的にはロココの画家です。ロココという時代はブーシェに代表されるように、荘厳華麗なバロックの反動でちょっと軽佻浮薄で快楽主義的なイメージですよね。そんなロココ趣味は謹厳実直なモランディの趣味ではないと思いませんか?

たしかにシャルダンは美術史的にはロココの画家ですが、彼が描いたのは静物と庶民の生活、ロココ趣味には合わないものばかりです。それでいて、ロココを代表する画家のひとりに数えられるという稀有な存在なんですね。激動の20世紀美術の中で、時代に背を向けてアトリエにある静物との対話で深い造詣世界を切り開いたモランディと似ています。

シャルダンの名は日本ではあまり知られていません。2012年に三菱一号館美術館で開催されたシャルダン展が日本初の個展でした。この時のサブタイトルが「静寂の巨匠」。モランディも「静謐の画家」と呼ばれたりしますから、共通項は多いようです。

ちなみに、モランディはシャルダンのことを「トロンプ・ルイユの効果にまったく依存しない画家」だと評しています。トロンプ・ルイユというのはだまし絵のことです。さて、この言葉の意味するところは?

次回は、このモランディの言葉からシャルダンの「静寂」の世界にわけいってみたいと思います。

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白い瓶に活けた花  1763年

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パイプと水差し  1737年頃

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若い先生 1740年


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※ この講座は絵の知識を競うものではありません。絵を見る力が自然に身につ楽しい講座です。

※ いわゆる美術史の流れを知らなくても、その場で向き合った絵をどう感じたかどう見るか、そしてそれを どう自分の言葉にするかを「わいわいがやがや」 の 寺子屋スタイルで学びます。

※ 通史的な講座ではありませんので、いつからでも、興味のある画家の講座の時だけでも、 お気軽にご参加ください。

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講師:  中尾陽一

日程 :  2019年 4月28日(日) 13:00 ?15:30

参加費: 4000円


場所 : プロトマニア

    [東京メトロ九段下駅 3b 出口(北の丸スクエア)より徒歩2分]

     〒102-0073 東京都千代田区九段北1-12-5 市田ビル6F


予約・お問合せ : お名前と日中のご連絡先を添えてメールまたはお電話でお申込みください。

  e-mail: yoyoa@mac.com

  phone: 090-2469-4450(荒川)


※メールでお申し込みいただきましたら確認の返信メールを送らせていただきます。

※プロトマニアから返信メールが届かない場合は、大変恐れ入りますがお電話でお問合せください。


※プロトマニアのHPからも簡単にお申し込みいただけます。

 →  お申し込み

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株式会社ウーゴズ

〒223-0051

横浜市港北区箕輪町2-5-25-601

tel: 045-563-8841 mobile: 090-8303-6131

info@hugosalchemy.com

http://www.hugosalchemy.com


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# by redoutehugos | 2019-03-28 11:31 | アートの楽しみ

『絵画鑑賞白熱講座』 春の特別イベント《絵事放談》のお知らせ

《~これまで誰も教えてくれなかった『絵画鑑賞白熱講座』》
      春の特別イベントのお知らせ
イッキ描きの画家・菊地理氏を迎えて ー《絵事放談》ー

日 時: 3月31日(日) 13:00~15:30
参加費: 500円 (お茶とお菓子付き)
ゲスト: 菊地理 ナビゲーター: 中尾陽一
場所 : プロトマニア 

[東京メトロ九段下駅 3b 出口(北の丸スクエア)より徒歩2分]
〒102-0073 東京都千代田区九段北1-12-5 市田ビル6F
予約・お問合せ: お名前と日中のご連絡先を添えてメールまたはお電話でお申込みください。
e-mail: yoyoa@mac.com phone: 090-2469-4450(荒川)
プロトマニアのHPからもお申し込みいただけます。→ こちらから

絵事放談の内容
I部 13:00~14:15 ルノワールの言葉をヒントに名画鑑賞
ルノワールが残したラフェロをはじめティツィアーノ、ベラスケス、ゴヤ、ブーシェ、ドラクロワなど 彼が見た名画についての感動の言葉をヒントに、菊地さんも敬愛するそれらの名画について縦横無尽 に語っていただきます。赤瀬川原平氏によるルノワールの『ピアノの前の少女たち』に見られる『柔らかさ主義』批判の文章についても検討します。もちろん、参加者からの質問、意見も随時受けつけながら、楽しく盛り上が りましょう!

休憩:15分

II 部 14:30~15:30 菊地画伯の作品を鑑賞する。 菊地さんの作品(実際の作品をお見せします)を肴に、菊地さんの作品を見ながら彼の提唱する絵画 作品鑑賞の4つポイント「密度、透明性、踏み込み、筆の愛着」の意味をみなさんと探っていきます。

菊地理:
父は風狂の画家・菊地辰幸。祖父は蒔絵師で僧侶という三代続く絵描きの家系。早稲田大学 東洋哲学科卒業後、フランスのボルドーにて絵画修業という異色の経歴の持ち主。落語と仏 教を愛するユニークなキャラクター。画家自身が《イッキ描き》と呼ぶ、感動を短時間で画 面に定着する描き方はユニークのひと言につきます。 これまで5万枚以上描いて鍛えてきたという画力に裏打ちされた《イッキ描き》による生命 力、躍動感に満ちた表現は大変魅力的。描く対象への『優しいまなざし』と豊かな色彩で見 る人に生きる『歓び』を感じさせてくれる絵です。

中尾陽一: 国際美術展プロデューサー
早稲田大学大学院西洋美術史学修士課程修了。フランス留学のあと、1985年から展覧会プロデュー サーとして、国内およびパリにおける美術館向けの国際美術展の企画業務に従事。企画協力した 展覧会は、モディリアーニ展、シスレー展、マチス展、ヴェネツィア派展、キース・ヘリング展、 ジム・ダイン展、ロバート・メイプルソープ展、パリで開催されたルオー展、兵馬俑展など多数。
モディリアーニの鑑定機関 Institut Restellini(パリ)の日本での窓口としてモディリアーニ作品 の真贋判定にも協力。

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               ルノワール 《ピアノの前の少女たち》

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               ブーシェ  《狩りを終えて憩うダイアナ》

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               ゴヤ  《カルロス4世の家族》

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                ベラスケス 《マルガリータ王女の肖像》


# by redoutehugos | 2019-03-26 12:03 | アートの楽しみ

ヨークカルチャーセンター小杉、 4月からの《美術鑑賞講座》のお知らせ

ヨークカルチャーセンター小杉(東急東横線、武蔵小杉駅)
  4月から始まる《美術鑑賞講座》のご案内です。
展覧会のプロがお伝えする! 《ひと味ちがった美術鑑賞》

ヨークカルチャーセンター小杉、 4月からの《美術鑑賞講座》のお知らせ_e0356356_18422814.jpg


【講座の紹介】
国際美術展のプロデューサーとして長年展覧会の現場を経験した講師がナビゲー
トするユニークな美術鑑賞講座です。
時代背景や作品にまつわる話だけでなく、展覧会の現場からの生エピソードなど
も盛り込みます。美術鑑賞がより楽しくなります

講師プロフィール
国際美術展プロデューサー 中尾陽一
早稲田大学大学院西洋美術史学修士課程修了。フランス留学のあと、1985年から展覧会プロデューサーとして、国内およびパリにおける美術館向けの国際美術展の企画業務に従事。企画協力した展覧会は、モディリアーニ展、シスレー展、マチス展、ヴェネツィア派展、キース・ヘリング展、ジム・ダイン展、ロバート・メイプルソープ展、パリで開催されたルオー展、兵馬俑展など多数。また、モディリアーニの鑑定機関 Institut Restellini(パリ)の日本での窓口としてモディリアーニ作品の真贋判定にも協力。


【日程】
4月〜6月 毎月第3木曜 13:00〜14:30

講座内容(予定)
4月18日(木) クリムト展 によせて
5月16日(木) ゴッホがゴッホになった、最晩年奇跡の2年間
6月20日(木) マティスが目指した「肘掛け椅子のような絵」とは?


受講料等の詳細はヨークカルチャースクール小杉のHPをご覧下さい。

あるいは下記に直接お問い合せください。

ヨークカルチャーセンター小杉

   〒211-0063 川崎市中原区小杉町3-420
イトーヨーカドー武蔵小杉駅前店5階
Tel: 044 -711- 8322







  


# by redoutehugos | 2019-03-17 18:49

多摩毎日カルチャースクール 4月からの《絵画鑑賞講座》のお知らせ

多摩毎日カルチャースクール(小田急線、京王線永山駅)で4月から始まる《絵画鑑賞講座》のご案内です。

展覧会のプロがナビゲートする!
五感で感じる絵画鑑賞講座

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【講座の紹介】
美術史的な知識を学ぶだけでなく、五感を使って絵と対話し交感する鑑賞法を身につけるための講座です。まずは、目の前の絵画に対して、どう感じるか、何を考えたかを言葉にしてみましょう。そして、講師のナビゲーションで、作品に対するオリジナルな評価ができるようになることを目指します。

【日程】
4月〜6月 第1木曜  13:00〜15:00

【講座のテーマ】

第1回(4/4)  クリムト − 人気の秘密を探る!

  4月23日からはじまる《クリムト展 ウィーンと日本1900》を前にクリムトの独特な絵画世界を鑑賞します。

  

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第2回(5/2) 印象派 vs 美し過ぎる(?)サロン絵画

  印象派の前にたちはだかった(美しすぎる)サロン絵画とは?

  印象派に否定されたのはなぜか?


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第3回(6/6) 印象派の展開

  印象派の父といわれるマネ、先駆者ブーダンなどの絵も紹介しながら、印象

派の中心となったモネ、ルノワール、 シスレー、ピサロの絵を鑑賞します。


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受講料等の詳細は多摩毎日カルチャースクールのHPをご覧下さい。

あるいは下記に直接お問い合せください。

多摩毎日カルチャースクール

〒206-0025
東京都多摩市永山1-4
グリナード永山4F
TEL.042-374-7411
FAX.042-374-7412


# by redoutehugos | 2019-03-08 17:35 | アートの楽しみ

第58回《〜これまで誰も教えてくれなかった〜『絵画鑑賞白熱講座』》 20世紀イタリア美術最大の巨匠 ジョルジョ・モランディ

3月24日(日)のプロトマニア・アート・レクチャーのご案内です。
第58回《〜これまで誰も教えてくれなかった〜『絵画鑑賞白熱講座』》
   20世紀イタリア美術最大の巨匠 ジョルジョ・モランディ 

第57回《フォーヴ もう一人の抒情詩人 ラウル・デュフィ》の様子がプロトマニアのHPにて紹介されています。よろしければご覧ください。

さて、次回は20世紀イタリア美術最大の画家として評価の高いモランディをとりあげます。

実はモランディは私の人生の転機になった画家でもあります。今から11年前の2008年の春、私は展覧会プロデューサーとしての集大成として、学生の頃から関心の深かったモランディの展覧会企画に着手しました。

それから3年の歳月をかけて、展覧会の核となるモランディ美術館、次にモランディの希少な形而上絵画の名作を所蔵するミラノのブレラ絵画館、モランディの評価の先がけとなったイタリア最高の美術史家ロベルト・ロンギの財団をはじめ、作品所蔵美術館、画廊、個人コレクター、イタリアのローカルなオークション会社などとの交渉を終え、日本の開催館との度重なる打ち合わせを経て、《モランディとの対話 − キリコからフォンタナまで》展のオープニングが迫ってきました。そして、いよいよイタリア各地での作品集荷を翌日に控えた2011年3月11日、東日本大震災が発生しました。震災の混乱の中、この展覧会は紆余曲折を経て、延期そして中止となってしまったのです。ちなみに、展覧会の図録は一般書籍としての発行を念頭に準備されていましたので、モランディの画集として刊行されました。

展覧会にはトラブルはつきもので、むしろトラブらない展覧会はないと言ってもいいくらいです。それまでスリリングな経験をさんざんしてきましたが、さすがにオープニングの直前で未曾有の天災によって完全に開催不可になった展覧会経験は始めてでした。

前置きが長くなりましたが、モランディは20世紀イタリア美術最大の画家と称賛されながら、他方で、生涯イタリアの古都ボローニャに留まって制作を続けたことや、何の変哲もない瓶や陶器をモチーフとして、その組み合わせを執拗なまでに追求する厳しい作画態度から『修道僧のような生活を送る孤高の画家』のイメージが
つきまとっています。

その上、モランディの絵は無機質なモチーフを相手に、やっていることがあまりにも微妙なため、おおざっぱな見方をすると単調で退屈に見えるかも知れません。ところが、その一見同じような絵が、対話する気持ちで見ると、いくら見ても見飽きることがないのです。何かが微妙に違ってくるのです。

私は以前から前々回にとりあげたマルケとモランディの画風に共通するものを感じています。マルケは1875年生まれで1947年没、モランディは1890年生まれで1964年没ですから、まあ同時代の人ですね。

類似点はまず、色調。どちらも中間色の巨匠です。そして、肥痩のある濃い目の色の線描の効かせ方。残念ながらマルケはあの独自のスタイルになってからは静物画を描いていませんが、もしマルケがマルケ風の静物画を描いていたら、洒脱なモランディ的な静物画になっていたのではないかと想像の世界で遊んだりします。

次回は、一見単調なモランディの絵から見えてくる様々なものをみなさんと探ってみたいと思います。

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《静物》 1956年 モランディ美術館

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《静物》 1955年 モランディ美術館寄託

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《静物》 1951年 モランディ美術館

第58回《〜これまで誰も教えてくれなかった〜『絵画鑑賞白熱講座』》 20世紀イタリア美術最大の巨匠 ジョルジョ・モランディ_e0356356_15291696.jpg
《静物》 1946年 ミラノ、20世紀美術館

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※ この講座は絵の知識を競うものではありません。絵を見る力が自然に身につく楽しい講座です。

※ いわゆる美術史の流れを知らなくても、その場で向き合った絵をどう感じたかどう見るか、そしてそれを どう自分の言葉にするかを「わいわいがやがや」 の 寺子屋スタイルで学びます。

※ 通史的な講座ではありませんので、いつからでも、興味のある画家の講座の時だけでも、 お気軽にご参加ください。

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講師:  中尾陽一

日程 :  2019年 3月24日(日) 13:00 ?15:30

参加費: 4000円


場所 : プロトマニア

    [東京メトロ九段下駅 3b 出口(北の丸スクエア)より徒歩2分]

     〒102-0073 東京都千代田区九段北1-12-5 市田ビル6F


予約・お問合せ : お名前と日中のご連絡先を添えてメールまたはお電話でお申込みください。

  e-mail: yoyoa@mac.com

  phone: 090-2469-4450(荒川)


※メールでお申し込みいただきましたら確認の返信メールを送らせていただきます。

※プロトマニアから返信メールが届かない場合は、大変恐れ入りますがお電話でお問合せください。


※プロトマニアのHPからも簡単にお申し込みいただけます。

 お申し込み


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info@hugosalchemy.com

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# by redoutehugos | 2019-03-05 15:33 | アートの楽しみ