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美し過ぎるサロン絵画(5) ウィリアム・ブグロー(2)

ボンジュール!
こんにちは。

私が初めてブグローという画家知ったのは、まだ10代の頃に読んだH.W.ジャンソンの「絵画の歴史」という本によってでした。

そこに、先日このブログでご紹介したブグローの《青春》が小さな白黒写真で掲載されていたのです。著者のジャンソンはブグローのアカデミックな絵画がいかに魅力のないものかを語っていましたが、私にはとにかくその描写力、描かれている美し過ぎる人物とこの世のものとは思えない美しい情景(そこが作り物として、リアリティーのなさと批判の的にもなっているのですが)のインパクトがあまりに強かったのでした。

それ以来、ブグローの実物を見たい、少なくともカラー図版をみたいとの思いに駆られていましたが、今と違ってインターネットなどという超便利なものはなかった時代です。カラー図版と出会えることさえいつのことになるかという感じでした。ところが、なんとブグローの実物を見られる機会がすぐにやってきたのです。1971年に神奈川県立美術館で開催された《ボルドー美術館名作展》という展覧会でブグローの絵と出会ってしまいました!それがこの絵《バッカイ》です。なんたる僥倖!願えば叶うとはこのことですね。

ちなみにバッカイとはブドウ酒の神バッカスの豊穣のお祭りの裏で行われる秘儀の中で半狂乱になって踊り狂う熱狂的な信者の女性のことです。また、牡山羊はバッカスの聖獣です。
ボルドー縁の画家ブグローの手になる、ブドウ酒の神バッカスにちなんだこの絵はボルドー美術館にぴったりなんですね!



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ブグロー  《バッカイ》  1862年

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# by redoutehugos | 2019-01-09 11:20 | アートの楽しみ

美しすぎるサロン絵画(4)ウィリアム・ブグロー

ボンジュール!
こんにちは。

今日は印象派嫌いで知られるサロン絵画界3巨頭の真打ちウィリアム・ブグローの登場です!
まさに美しすぎるサロン絵画の代表です。
その超絶技巧とも言える描写力で膨大な数の天使や裸婦可憐な少女像を描きまくりました。
そのどれもが完成度が高くどれがブグローの代表作とは言いがたいのですが、一番有名なのはやっぱりオルセー美術館にある《ヴィーナスの誕生》でしょうか?

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《ヴィーナスの誕生》 1879年  オルセー美術館

先日ご紹介したカバネルの《ヴィーナスの誕生》に比べるとやたら裸の人の数が多いですね!
当時人気のあった官能的な裸婦像を描くにはヴィーナス画でなければならなかった訳ですが、そんな当時のサロンの状況をドーミエは《今年もまたヴィーナス、いつもヴィーナスばっかり!》と題された版画で皮肉っています。
詳しくは以前のブログをご参照ください → こちら

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ドーミエ  《今年もヴィーナス、いつもヴィーナスばかり!》

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# by redoutehugos | 2019-01-08 20:09 | アートの楽しみ

美しすぎるサロン絵画(3)

ボンジュール!
こんにちは。

《ヴィーナスの誕生》が有名な、サロン絵画の巨匠カバネルですが、こんな絵もあります。
《オフィーリア》です。

《オフィーリア》はイギリス、ラファエル前派のジョン・エヴァレット・ミレーの傑作があまりにも有名ですね。
ミレイの絵では、悲しみのあまり正気を失い、川に落ちてしまったことにも気づかない様子で歌を口ずさみながらが静かに流されていくオフィーリアの様子が静謐な画面の中に記念碑的に描かれています。

カバネルの方は、気がふれたオフィーリアが柳の小枝に花環をかけようとして川に落下する瞬間を描いています。
ミレイの絵に比べると植物の描写があっさりし過ぎの感はありますが、どこか遠いところを見つめる、もはやこの世の人ではなくなってしまったようなオフィーリアの顔が印象的です。
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               カバネル  《オフィーリア》  1883年

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               ミレー  《オフィーリア》  1852年

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# by redoutehugos | 2019-01-07 17:36 | アートの楽しみ

美しすぎるサロン絵画(2) カバネル

ボンジュール!
こんにちは。

印象派嫌いで有名な(?)のサロン絵画の3巨頭ジェローム、カバネル、ブグロー、今日はカバネル(1823〜1889)の登場です。
彼の代表作はオルセー美術館所蔵の《ヴィーナスの誕生》で、19世紀アカデミック絵画の代表作とも見なされています。
2017年に国立新美術館で開催された《オルセー美術館展、印象派の誕生ー描くことの自由ー》にもきていましたから、見覚えのある方も多いのでは?

この絵は1863年のサロン(官展)で絶賛されました。
カバネル40歳、脂ののりきった時の傑作(?)です。

この時のサロンは審査が厳しく、落選させられた画家の不満が異常にたかまりました。
そこでナポレオン3世が開いたのが《落選展》。
不名誉なタイトルの展覧会ですが、そこに出展されたマネの《草上の昼食》が大非難の的となり、スキャンダルを
引き起こし、印象派誕生の道を開いたというストーリーになります。
スキャンダルを乗り越えて歴史の中でオーソドックスになるというパターンですね。

ということで、カバネルの《ヴィーナスの誕生》とマネの《草上の昼食》は当時の両極端な評価を得た絵画だったんですね!
現代の私たちから見ると、カバネルの《ヴィーナスの誕生》の方があられもない裸婦のポーズという観点からするとよっぽど
スキャンダルになりそうですが・・・これは《絵画鑑賞講座》でぜひ比較鑑賞してみる必要がありそうです!


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               カバネル 《ヴィーナスの誕生》 1863年

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マネ  《草上の昼食》  1863年





# by redoutehugos | 2019-01-05 11:35 | アートの楽しみ

美しすぎるサロン絵画(1) bis

ボンジュール!
こんにちは。

昨日ご紹介した印象派嫌いの最右翼の一人ジェローム(1824-1904 )の先生は
ドラローシュ(1797-1856)というロマン派の画家です。
ドラローシュと聞いてもピンと来る人は少ないと思いますが、
生前はアングルやドラクロワに匹敵する名声を誇っていました。
そんなドラローシュもジェローム同様、今では歴史の彼方に忘れられた画家の
一人でした。
(「忘れられた」と言ってもあくまでも生前の盛名に比べればということですが)

ドラローシュの名前は知らなくても、次の絵に見覚えのある多いのではないで
しょうか?
一昨年に上の森美術館で開催され話題を呼んだ《怖い絵展》のメインビジュアル
に使われて大動員に一役買った絵です!
実はこの絵《レディ・ジェーン・グレイの処刑》の作者がドラローシュです。
イングランドの初代女王の座についたものの、9日後にはメアリー1世に廃位さ
せられ、半年後には17歳の若さで処刑されたレディ・ジェーン・グレイの処刑場
面という悲劇的なテーマに多くを負っているとはいえ、その訴求力は現代でも通
用するもののようですね。

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《レディ・ジェーン・グレイの処刑》  
1833年 ロンドン、ナショナル・ギャラリー


# by redoutehugos | 2019-01-04 12:30 | アートの楽しみ